高血圧

高血圧

高血圧症の患者さんは非常に多く、内科を受診される患者さんの多くが高血圧の方になります。

Aさん「健康診断で血圧が高くてひっかかっちゃいました。前から言われているけど別に痛くもないし、様子みてるんですけどね」

Bさん「今病院に着いて測ったら血圧が150もあるんです!心配で心配で」

Cさん「血圧は大体毎日測ってますよ。上がったり下がったりするけど大体120~140位かす」

あなたはどの方に近いでしょうか?一番理想的なのはCさんの様な考え方の方です。

なぜでしょうか?

高血圧に関して、私の経験や考えも交えながら説明させて頂きます。

 

そもそも高血圧って何?

これはまさに名前の通り、血圧が高い病気です。

ただ注意しなくてはいけないのは、走ったり・イライラしたり・睡眠不足などの時は皆さん血圧が高くなります。

これは一時血圧が高くなるだけなので高血圧症ではありません。

大事なのは血圧を測るタイミングで、リラックスしてじっとしている時に上の血圧が140以上ある状態が毎日続く事です。

よくご相談を受けるのが、「健康診断で血圧を測って高いと言われちゃいました、普段家で測る血圧は120-130なんですけど」と言う方です。

これも健康診断という普段と違う環境で緊張したせいで血圧が高いだけで、普段のリラックス時の血圧が高くないので問題ありません。

リラックスできる場所で血圧を測る、つまり病院や健康診断ではなく家で測る血圧がより大切になりますね。

高血圧の目安は、いろいろ細かくあるのですが簡単にまとめると、リラックス血圧の上(収縮期血圧といいます)が140を超える日が続くようになると高血圧いう診断になります。

Bさんのお気持ちよく分かります。

ただ病院についたばかりの血圧ですと、歩いて来て頂いた直後で病院という環境で少し緊張されて血圧が上がっているだけかもしれませんね。

(病院で血圧を測っても家と変わらないですと言われるようなリラックスできるクリニックを目指したいものです)

Bさんにはまずは心配しないでいただいて、家でリラックスしているときの血圧を1-2週間測って頂きました。

その結果、家の血圧は問題なく高血圧ではないことをお伝えし安心して頂きました。

 

なんで高血圧になるの?

「若いころはむしろ上が90しかなくて、低血圧だねって言われていたのに高血圧だって?」

そうなんです。若い頃は血圧が低く、歳をとるにつれてみんな血圧が高くなる傾向にあります。

これは若い頃に比べると体重が増えお腹も出て、いわゆるメタボになった方は血圧も高くなります。

またメタボではない方も、若いころに比べて血管も歳をとりますので、だんだん血管壁の弾力が無くなり硬くなるので血圧が高くなります。

 

みんな歳をとると高血圧になるならそのままでいいんじゃないの?

「赤信号もみんなで渡れば・・・」という有名なフレーズがあります。

車なら大人数が道路を横断するのに気がついて停まってくれるかもしれませんが、病気はお構いなしです。

赤信号を渡ったみんなが病気になってしまいますね。

血圧が高い状況が長年続くと、血管・心臓にダメージが蓄積されボロボロになってしまいます。

そしてある日爆弾が破裂するように急に牙をむき出します。

血管が詰まってしまう「~梗塞」、血管が破けてしまう「~出血」を起こしてきます。

血管は体のあちこちにありますので、どこの血管が詰まってしまうかで「脳梗塞、心筋梗塞、腎梗塞など」、どこの血管が破れるかで「脳出血、大動脈解離、動脈瘤破裂など」など良く耳にする非常に恐い病気がおきてきます。

どれも今までピンピンしていた方が急に倒れて死んでしまったり、半身麻痺になってしまったり、透析になってしまったり、「昨日まであんなに元気だったのに、どうして急に・・・」という状況になってしまう病気ばかりです、

まさに爆弾が破裂した感じですね。

また心臓は血液を全身に送り出すポンプの働きをしていますが、血圧が高いとフルパワーで血液を押しこまないと全身に届かないので心臓が疲れて悪くなってしまいます。

これを「心不全」といいます。

たかが血圧、されど血圧。高血圧をほっとかないで、血管・心臓が壊れないように大事に守る事が非常に大切なんですね。

この話をさせて頂いて、5年前から健康診断の高血圧をそのままにしていたAさんも治療を始めてくれました。

食事・運動を気を付けて頂いて体重も3kg減り、血圧の薬も少ない量で血圧も120-130で落ち着いております。

 

よしきちんと治療しよう!どんな治療になるの?

高血圧の治療は大きく「食事」「運動」「睡眠・ストレス」「薬」になります。

 

「食事」

塩分を控えましょう!1日6g以下が目標です

塩分を沢山とると体が塩分を薄めようとして血液の中の水分を増やします。

そうすると血液量が多くなるので血管にも圧力がかかり高血圧になります。

イメージは水風船に水を沢山いれてパンパンになっている感じですね。

その為、「塩分控えめ」が大事になります。

ただ塩分は調味料ですので、料理に知らず知らずはいっていて取り過ぎてしまいます。

そのため、

「塩分の多い麺類の汁は飲まない」

「薄味にする(お酢やレモン味にする)」

「ソース・醤油は小皿にいれてつけすぎない」などがポイントです。

 

「運動」

血行が良くなるので血管が広がり血圧が下がります、またダイエットにもなり血圧が下がる効果もあります。

運動は激しい短時間の運動ではなく、ウォーキングやサイクリングなどの優しい運動を30分以上行うことが効果的です。

目標は週3回ですが、お仕事などで週3回はちょっと厳しい方もいらっしゃると思います。

週末の週1-2回でも何もしないより全然効果が違いますので日々の生活に無理せずとりいれて頂けると良いです。

なんでも3週間繰り返すと、人間は自然と習慣になるようです。

ぜひ週末にご家族・ご友人と公園に散歩に行くのを3週間やってみてください。

 

「睡眠・ストレス」

寝不足の日の翌日を想像してみてください。

頭はボーっとしてちょっとしたことでもイライラしてしまう。こんな状態ですと血圧は高くなってしまいます。

寝付きが悪い原因としては体内時計の乱れがあります。

体内時計は朝の日光を浴びることでリセットされますので、朝きちんと起きて窓をあけて清々しい朝日を浴びることが大事です。

また朝食をきちんと食べて、昼間は30分以上昼寝しない、夜はきちんと部屋を暗くして眠ることで体内時計が回復します。

ストレスに関しては完全に避けることは不可能です。

(ある程度のストレスがあるからこそもっと頑張るぞと人間成長しますしね。)

大事なのはストレスをため込まないことです。

その方法は人によるかと思いますが、音楽を聴いたり、運動、買い物、友人と会話、カラオケなどでしょうか。

私はシャワー浴びてストレスも洗い流して、一晩眠ってストレスを忘れてしまうことが多いです。

またもう一つ大切なのは、睡眠・ストレスが原因で血圧が高い方は、血圧を下げる薬ではなくまずその原因になっている「睡眠・ストレス」を解決することが大切です。

前述の生活習慣を試して頂きながら、場合によっては睡眠導入剤や気分を落ち着けるような薬を短期的に使うとよいと思います。

 

「薬」

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高血圧の薬は現在ではいろんな種類がでており、良い薬が沢山あります。

大きく分けると

「カルシウム拮抗薬」・・・血管を広げて血圧を下げます

「アンジオテンシン阻害薬」・・・血圧を上げるホルモンを減らします

「β遮断薬」・・・血管を広げ、心臓も休ませて血圧を下げます

「利尿剤」・・・おしっこの量を増やして、血液の水分を減らし血圧を下げます

などがあります。

まずはこの中から1種類の薬を少ない量から始めます。

大体2週間程度で効果がでてきます。

血圧の状態をみてまだ高いようなら薬の量を増やしたり、別の血圧を下げる薬を追加します。最近では2種類の薬が1粒にまとまった薬も出てきており、飲む粒の量が減り少し安くなるので好評です。

ここで大切なのは、「血圧はゆっくり下げる」「高血圧を長年ほっとくのは危険だが、今すぐ危険なのは低血圧」です。

高血圧が心配で血圧をすぐ下げたいというお気持ちよく分かります。

きっと高血圧の事を調べられて、高血圧治療の大切さをよく分かられている方だと思います。

ただ高血圧は何年もほったらかしにしておくと血管・心臓がボロボロになってしまう病気でしたね。

つまり今すぐ血圧を下げなくても大丈夫なんです。

もし血圧の薬を最初から沢山使って、血圧を一気に下げるとどうなるでしょうか?

そうです、血圧が下がり過ぎて100を切って低血圧になってしまうかもしれません。

そうすると脳に血液が届かなくなるので、立ちくらみや失神などで倒れてしまい危険です。

また体の方も血圧が高い状態でなれてしまっているので、急に血圧が大きくさがるとびっくりして対応ができません。

つまり、血圧はゆっくり時間をかけて、低血圧にならないように下げていくことが大切なんですね。

とくに夏場になると暑さで血管が広がり、汗で塩分が出ていきます。

そうすると血管が広がるくすりを飲んで、塩分を控えているのと同じ効果になりますので、夏場は血圧が下がる方が多いです。

夏場や逆に低血圧に注意する必要もあり、上の血圧が100より下がってしまうようなら血圧の薬を減らしたほうが良いので御相談ください。

また汗をかいたら高血圧の方も塩分・水分はしっかりとりましょうね。

   
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