今日は、関節リウマチのお薬の主役、メトトレキサートについて分かりやすく説明させて頂こうと思います。

このメトトレキサート、安くて効果抜群でリウマチの治療に欠かせないお薬なのですが、飲み方や副作用などが独特で注意する事が沢山あるお薬になります。
一言でいうと、「あの人いい人なんだけと、癖が強くて初めての人は戸惑っちゃうんだよね」といった感じです。
そのため、リウマチ学会からこの癖の強いメトトレキサート君を初対面の人に紹介する為のパンフレットがでています。
こちらの「メトトレキサートを服用される患者さんへ」というパンフレットですね、見たことある方も多いかと思います。
ただこのメトトレキサート君を紹介するパンフレットも、ちょっと内容が難しかったりするので、この動画では内容をさらにさらに分かりやすくしてお伝えしていきたいと思います。

この動画を最後まで見ますと、いいやつだけど癖の強いメトトレキサート君の事を理解し、仲良く付き合うことによって、安心してリウマチの治療ができるようになります!

メトトレキサートの3兄弟
メトトレキサート、リウマトレックス、メトレート はどれも同じ薬です
関節リウマチって何?
関節リウマチ、自分をウイルスや細菌から守るための免疫が、間違って自分を攻撃してしまう病気です。
イメージとしては、鉄砲をもって外から入ってくる細菌やウイルスをやっけていた免疫細胞が、急に敵と味方が分からなくなって自分の方にも銃を向けてうってきた感じを考えてもらうと良いかと思います。
そうすると体のあちこちで火の手が上がってしまい、これを炎症と言います。

この免疫細胞の暴走が関節で起きるのがリウマチで、関節が痛いのはもちろん、そのままにしておくと、骨が壊されて変形して、日常生活が不自由になったり、動かなくなることで寿命まで減りますと書いてあります。

さらに、この炎症が体の中で続くと関節だけでなく血管の動脈硬化が進んでしまうんです。
そうすると血管が詰まってしまう病気、脳梗塞や心筋梗塞といった命に係わる怖い病気が起きやすくなります。
リンパ腫という、リンパ節の癌も起きやすくなると書かれています。

リウマチは今の痛みだけではなくて、将来的な関節の変形や生活が不自由になること、さらには関節だけでな無くて脳梗塞・心筋梗塞。リンパ節の癌にもなりやすいですよ、早期診断・早期治療がとっても大切です。

メトトレキサートはどんな薬なの?
リウマチでは暴走する免疫細胞が葉酸というビタミンを使って凄いスピードで分裂増殖しています。
その暴走する免疫細胞に葉酸を使わせないようにすることで、リウマチを治していくのがメトトレキサートになります。
メトトレキサートの飲み方
週1-2日だけ飲む薬 残りの5-6日は薬を飲まない日がある
毎日飲んでは絶対ダメ
肝臓が悪くなったり 口内炎 腎臓が悪くなったり 骨髄抑制
メトトレキサートの効果
ゆっくりジワジワ数か月かけてリウマチが良くなります。
早くて2週間、1か月くらいかけてジワジワ効果がでてきて、2か月で効果が横ばい。
最初は大体週3錠(6㎎)から始めて、飲み合わせなど確認しながら月に1錠ずつ増やしていきます。
日本ではMAX8錠(16㎎)まで使う事ができます。
大体5-6錠(10-12㎎)までは増やしたら増やしただけリウマチが良くなる可能性が高いので、5-6まで増やす事が多いです。
そこまで増やしてもリウマチが抑えられない場合には、さらにメトトレキサートを7-8錠まで増やすか、それとも生物学的製剤という注射や、他の飲み薬を付け足すかを考えます。
いずれにしても、週3錠から始めて5-6錠になるには3-4カ月かかりますので、飲んで数日で痛みが無くなる薬ではないので気長に見て頂けたら。初期には痛み止めやステロイドの併用。

メトトレキサートが使えない方
・昔メトトレキサートが合わなかった リウマトレックス メトレート
・腎臓が悪い 
・肝臓が悪い、肝硬変 昔B型肝炎ウイルス
・肺の病気がある
・今何かの感染症にかかっている
・過去に、血液の病気(白血病、リンパ節の病気)
・昔結核 肺浸潤 肋膜炎 過去自分は、家族や周りの人が
・妊娠/授乳 お子さんをすぐに考えている
お子さんを考えた時、
男性はメトトレキサート中止して3か月したらお子さんOK
女性はメトトレキサートを中止して1回生理がきて終わったらお子さんOK
また出産後、授乳中はメトトレキサート×

メトトレキサートを使っている方の生活注意
・禁煙
・節酒
・適度な運動 腫れてるときは安静 リウマチ体操 リウマチに良い運動
・寝不足× 食事の偏り× 
・脱水注意 食事以外に1-1.5L 、コップ一杯程度の水分を1日に5杯

メトトレキサートの副作用を予防してくれる葉酸錠=フォリアミン!
メトトレキサートは、暴走している免疫細胞が葉酸を使って増えるのを抑えてリウマチを治していくお薬でした。
しかし、実は暴走免疫細胞だけでなく、体にある普通の細胞も普段から葉酸をつかって生活をしています。
なので、もしメトトレキサートが体にずっと残っていると、ゆっくり葉酸を使って分裂して増えている普通の細胞にまで悪影響がでてしまいます。
お店の中で、酔っぱらって暴れながら葉酸をバクバク食べている暴走免疫細胞に困った店員さんが、「もう葉酸を売り切れだから帰れー!」と怒ったら、隣で大人しく葉酸を食べていた良い細胞もしゅんとしてお店から出ていってしまう感じでしょうか。
そこで登場するのが、葉酸の錠剤であるフォリアミンになります。
これをメトトレキサートを飲み終えた翌日か翌々日に使うことによって、良い細胞にはキチンと葉酸を届けることが出来ます。 さっきのお店のイメージでいくと、「もうお前にやる葉酸はないんだ、でてけー」と店長さんに言われて酔っ払い暴れん坊免疫細胞が出ていった後に、こっそり店長さんが「お騒がせしました、どうぞゆっくりしていってください」新しい葉酸を常連客の良い細胞達に渡しながら謝って回る感じですね。
メトトレキサートの副作用を予防してくれるフォリアミン、ぜひこの2つをセットで使って安全に治療をしていきましょう。
メトトレキサートの副作用を予防する葉酸・フォリアミン、ぜひセットで覚えて頂けると嬉しいです。

メトトレキサートの副作用
一番大切な事は、副作用の可能性はあるけど頻度は低くて、毎月の血液検査や診察で早く見つけて対応できるものがほとんどなので、心配しすぎないでください。
副作用を心配し過ぎてしまうと、リウマチが抑えられず、そうすると手指が変形して動けなくなり、生活が不自由になって寿命まで短くなってしまう。
心筋梗塞や脳梗塞が起きやすくなる。メトトレキサートをつかっている人の方が寿命が長かった

 ・量が増えてくるとでてくるもの 
⇒肝臓の数値があがる、口内炎・吐き気・頭痛、腎臓の数値があがる、血球減少(骨髄抑制)
対応)水を沢山のむ アルコールを控える 
早期発見)フォリアミン2個に増やす、メトトレキサートを少し減らす
裏技)胃薬・吐き気止め

 ・量と関係なく出る可能性があるもの 
感染症、間質性肺炎、リンパ腫
 ①感染症…なんでもかんでも増えるわけでは無くて、一部の感染症の頻度が少し増える。 
・風邪 インフル コロナは増えない
・カビの肺炎:熱・息切れ・苦しさ βDグルカン・バクタ
・尿路感染:熱 頻尿 排尿痛 腰痛 水分補給
・帯状疱疹 ちくちく痛み赤い湿疹の帯状疱疹
 ②間質性肺炎…リウマチ?メトトレキサート?どちらでも可能性あり 
 早期発見 空咳 息切れ 発熱 鼻水・のどの痛みなし
 検査 レントゲン横向き CT、 KL6
 ③リンパ腫…リウマチ?メトトレキサート? 
 首脇のしこり 熱が続く
 検査 SIL2 CT(大きな病院)
メトトレキサートを中止するサイン
・風邪の症状(いつもより喉が痛い、38度の高熱) 
・息苦しいパルスオキシメーターSpO295%以下⇒肺炎
・リンパ節の腫れ⇒リンパ腫、ウイルス感染   排尿痛・頻尿・熱・吐き気⇒尿乾癬
・口内炎が沢山
・熱中症 下痢 食欲がない 尿が少なくて濃い⇒脱水症
・帯状疱疹(ちくちく赤い湿疹) 蜂巣炎(皮膚の痛い腫れ)
・まよったら中止OK
・1-2週やめてもリウマチはすぐに悪くならない(PSLは継続)
他の薬との飲み合わせ
・市販薬との飲み合わせOK
・ビタミン剤(葉酸入り)はメトトレキサートの日はやめる プラスマイナスゼロのなってしまうから
予防接種
生ワクチン×
不活化ワクチンOK
まとめ
最期まで見て頂いてありがとうございます
どうですか?
癖が強いけど、リウマチ治療に欠かせない主役のメトトレキサート君の事を分かっていただけましたでしょうか?
実は僕の祖父もリウマチだったのですが、当時は痛み止めしかなかったので、リウマチの進行が止められずに手や指、足の指の変形が徐々に進んでしまいました。
そんな祖父の姿を思い出すと、そのころにメトトレキサートの様なリウマチの進行を止められる薬があればよかったのにな。と思います。
現在はリウマチのお薬が凄く進歩して、リウマチの進行を止められるメトトレキサートの様なお薬がありますので、ぜひ皆さまがこの動画をみのメトトレキサートへの不安が無くなって、安心してリウマチの治療を受けて頂けると嬉しいなと心から思います。
またメトトレキサートに関する質問に、どんどんお答えしていきたいと思います。