手首の痛み、腫れなどの症状がある方

関節リウマチ

最初にリウマチで痛くなる関節で最も多いのが手指になります。なんとリウマチの半分以上の方に手指の痛みが最初に出ています。
そんなリウマチの初期症状の可能性の高い手指の痛みのポイントは、

  • ①爪のすぐ下の関節(指先の一番先端の関節)にはリウマチが出てきません。
  • ②指の中でも、特に人差し指と中指にリウマチは出やすいです。

また手指の関節は小さいので、血液検査をしても炎症反応(CRP)が正常の事が多く、診断には関節エコーが欠かせません。

関節リウマチ
関節リウマチで最初に痛くなる関節で2番目に多いのが手首の関節になります。
実は手首に痛みが無くても、関節エコーで調べるとリウマチが見つかることの多いのが手首の関節です。
痛みが無くても、関節エコーで一度は調べたほうが良い関節になります。
偽痛風
ご高齢の方で、急に手首が痛くなった時に可能性のある病気です。痛風は有名で尿酸が関節に貯まって痛みが起きる病気ですが、偽痛風もそれに似ていてピロリン酸というものが関節にたまって痛みを起こしてきます。痛風に比べて、ご高齢の方に多く、手首・肩・首・膝など大きな関節に起きやすいのが特徴です。腫れている関節の中にピロリン酸が貯まっていることを、関節エコー検査や関節注射で確認し診断します。痛み止めや、少量のステロイド剤で良くなります。
乾癬性関節炎
手首の腫れ以外に、頭・肘・お尻などにカサカサした赤い湿疹が出たり、爪が黄色くボロボロしてくるなど関節以外にも症状が出てくることが特徴です。リウマチのCCP抗体やリウマチ因子のように、血液検査で診断できる項目はありません。皮膚・爪など関節以外の診察と、関節エコーでの関節チェックが診断にとても大切です。
乾癬がリウマチで使うメトレートや生物学的製剤がとても良く効きます。また最近では関節線専用の生物学的製剤も続々登場しており、ここ数年で乾癬治療はとっての良くなりました。治療をすると関節だけでなく、皮膚や爪の症状も良くなりますよ。
RS3PE症候群
アルファベットで難しい名前の病気ですよね、ただこれが正式名称なんです。
名前は難しいですが一言でいうと、ある日急に手足がパンパンに腫れて痛む、ご高齢の方に多いリウマチの親戚のような病気です。リウマチは手指の関節が腫れ痛みますが、RS3PE症候群では手や足全体が腫れて浮腫んでいるのが特徴です。普通の浮腫みと違うのは、腱鞘炎も起こしてくるので手足が痛むこと、また血液検査で炎症の数値(CRP)が高くなることが異なります。
また関節エコー検査をすると、「関節の炎症や腱鞘炎」+「皮下脂肪に炎症や水が貯まっている浮腫み」の両方がみえるのが特徴です。プレドニンの治療がとっても良く効き、手足の浮腫み・痛みもスッキリよくなります。