リウマチの症状・検査って?

Symptoms / Inspection

病状

  • 朝の手指のこわばり
  • 手指の腫れ、痛み
  • 握力低下
  • 関節が痛い、腫れる(手指、足、膝、肩、肘)
  • 腱鞘炎が治らない

検査

関節エコー検査

最新リウマチ検査、関節エコー検査をご存知ですか?エコー検査というと皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?おそらく人間ドックでお腹を調べる検査、妊娠中にお腹の中の赤ちゃんを見る検査というイメージをお持ちではないでしょうか?実はこのエコー検査、関節の中もみる事が出来てしまうのです!これを関節エコー検査と呼びます。最近では、この関節エコー検査がリウマチを診断したり、治療をするのに欠かせない超強力な助っ人になっているんです!

関節エコー4つのポイントここが凄い!

その①

レントゲン・血液検査で分からない早期関節リウマチも見つけることができます!
関節エコー検査は、リウマチかどうかの診断に一番大切な「関節の中に炎症が起きているか」を眼で見る事ができます。関節の中に炎症が起きていると、まさに文字通り「メラメラした炎」が関節の中に広がっているのが見えます。

「レントゲンが異常なければリウマチではないんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。確かに関節リウマチで骨が壊れたり変形するとレントゲンで診断できます。でも、骨が壊れたり変形してからリウマチの診断で治療を始めるなんて遅いですよね?骨に影響が出る前にしっかり治療するにはレントゲンの診断では遅すぎるんです。

「じゃあ血液検査でわかるんじゃない?」という声もお聞きします。
確かに、血液検査でリウマチの体質があるかなど検査できます。しかし、血液検査で分かるリウマチは多く見積もっても90%程度なのです。つまり、少なくとも10%程度(10人に1人)のリウマチの方は血液検査では分からないのです。特にリウマチになったばかりで関節の破壊の進行が早く、すぐに治療が必要な早期関節リウマチの方では血液検査に異常が出てこない事が多いのです。

この診断の難しいが早く治療しなくてはいけない早期の関節リウマチの方を、関節エコーさえあればみつけることができます。正直、関節エコーが使われるようになる前は、早期の関節リウマチの方が診断できず、そのままになって関節が変形してからリウマチの診断になるといった残念なことがあったかと思います。しかし最新のリウマチ診療では関節エコー検査で診断の難しい早期のリウマチを見つけて、早く治療を行えるようになってたので、関節の痛みが無くなるだけでなく将来的な関節の変形を起こさないことが可能となりました。

<※早期関節リウマチ:レントゲンでは異常ありませんでしたが、エコー検査ではオレンジ色のリウマチの炎症や小さな骨破壊が見えます>
その②

関節リウマチの強さが分かるので、最適な治療ができます
一言で関節リウマチといっても、そのリウマチの強さは一人一人で大きく違います。同じリウマチ患者さんでも関節の中に大きな炎症が起きていて数か月のうちに関節の骨が壊れてしまう非常に進行の早い強いリウマチの方もいらっしゃれば、リウマチの炎症が関節にあるもののほんの少しで骨への影響も数年単位でゆっくりな方もいます。そのリウマチの強さが、関節エコー検査を行うと一目で分かります。関節の炎症の大きい方は、痛みをとるのはもちろん関節の骨を壊さないようにすぐにしっかりした治療が必要ですので、早期に生物学的製剤(リウマチの特効薬)などをお勧めします。一方、関節エコーで関節の炎症がそこまで強くないことが分かった方は、おそらく飲み薬だけで良くなるだろうと見込みがあるので、飲み薬を少しずつ増やしながらリウマチを治していきます。

<見た目は同じ腫れでも...>

<リウマチの炎が沢山、とても強いリウマチと判明⇒最初から生物学的製剤で治療!>

<腫れはあるが実はリウマチの炎は少し⇒飲み薬からの治療で治りそうだ!>

その③

リウマチが完全に治まっているか分かる⇒どんどん薬を減らせる!
リウマチが良くなるとどうなるでしょうか?もちろん痛みや腫れが無くなります。また血液検査でもCRPなどの炎症の数字が良くなります。しかし、指などの小さな関節にリウマチの炎症が残っていても、関節の体積が小さいのであまりCRPが作られず、血液検査のCRPが正常な事があります。しかし小さな指などの関節にリウマチが残っているのは確かなので、そのままにしておくと骨が壊れて曲がってきてしまうかもしれません。小さな関節の炎症の残りも見逃さないために、ここでも関節エコーが活躍します。

また関節エコー検査で、どこにも関節リウマチの炎症が残っていない事が分かれば、リウマチが完全に治まっているといえます。この場合に患者さんやご家族の希望にそって薬を減らしていくことも可能となります。

<※治療前:オレンジ色の炎がリウマチの炎症になります>

<※治療後:オレンジ色の炎がしっかり消えています>

その④

痛みの原因はリウマチ?それとも他の原因?リウマチ以外の病気も分かります
また診察の時に「昨日から親指が痛いんです」と教えて頂ければ、その場でポンっと診察室にあるエコ-でリウマチの炎症があるかを見ることができます。

「関節の中にリウマチの炎症は無いですね。軟骨が少し減っているせいかもしれません。手指を沢山使ったりしませんでしたか?」「あーそういえば畑仕事を週末に頑張っちゃいました、そのせいですね。」とリウマチの痛みなのか、そうでないのかがその場で分かります。リウマチの痛みでしたらリウマチの薬を増やす必要がありますが、そうでなければ湿布や安静が大事になりリウマチの薬は増やさなくて大丈夫になります。痛みの原因によって治療が変わってくるので、関節エコーで痛みの原因を調べる事はとても大切なんですね。

<※リウマチ性多発筋痛症:肩の上腕二頭筋腱に強い炎症があります>

<※変形性関節症:軟骨が減って骨同士がぶつかり骨が出っ張っています>

<※乾癬性関節炎(アキレス腱炎):丸いアキレス腱の周りにオレンジの炎が見えます>

<※リウマチ結節:強いリウマチの方で、リウマチ結節という塊ができていました>

その⑤

全く体に負担がなく、その場で色々な関節を調べられる!
お腹にいる赤ちゃんをみるのに使われるエコー検査です。レントゲンのように放射線などの心配もなく、全く体に害がありません。診察室にいつもエコーはありますので、その場で気になる関節を調べられます。

(※手関節・・・関節リウマチやガングリオン、手根管症候群、腱鞘炎などエコーで分かります)

(※指関節・・・関節リウマチやばね指、変形性関節症、乾癬性関節炎などエコーで分かります)

(※肘関節・・・関節リウマチや変形性関節症などエコーで分かります)

(※肩関節・・・関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症、変形性関節症などエコーで分かります)

(※ひざ関節・・・関節リウマチやベーカー嚢腫、偽痛風、変形性関節症などエコーで分かります)

(※足ゆび関節・・・関節リウマチや痛風、アキレス腱炎などエコーで分かります)

院長と関節エコーの出会い

私が医師になったのはちょうど10年前になります。大学病院の新米リウマチ医師として、緊張しながら外来診察をしていました。そのころのリウマチの診断はレントゲンや触診でした。しかし、いくら丁寧に触診をしても手の大きさや皮下脂肪の厚さは人それぞれ違いますし、加齢による関節の変化もあります。またレントゲンもリウマチが進行して骨が壊れないと異常が分からないので、発症早期のリウマチは見逃されてしまいます。「うーん、この指の腫れはリウマチか?それとも加齢変化かな?」「リウマチだと思うけど、まだレントゲンでは異常が見えないな・・・」といった診断に困ってしまう方に多く出会うようになりました。MRI検査もあったのですが、予約制・高い・造影剤の副作用・一つの関節しか見られないなど、患者さんのご負担の大きい不便な検査でした。こういった診断に困ってしまうような患者さんを、先輩医師も含め集まって議論するのですが、正直それでも100%正しい結論は出ませんでした。

「リウマチで骨が壊れる前に、早く診断して治療することが必要なのに。これではリウマチの診断が遅れてしまう・・・」「僕のあの時の診断は本当にあっていたのだろうか・・・」と外来が終わるたびに悩んでいたことを思い出します。

関節エコーとの出会いと感動

そんなの時に、海外では関節エコー検査というものでリウマチの診断をしていることを知りました。なんと関節にエコーをポンッとあてるだけでその場でリウマチが分かってしまうのです。またレントゲンに写らない早期のリウマチも見つけることができると言うではありませんか!「これだ!この検査が出来ればもっと早期にしかも正確にリウマチの診断ができる!」ただその頃の関節エコー検査はまだ研究段階で、日本では限られた施設で行われ始めているだけでした。早速先輩医師にお願いをして、当時関節エコーの研究をされていた数少ない施設である横浜の大学病院に関節エコーの見学に行かせてもらいました。そこで初めて関節エコーを見た時の感動を今でも覚えています。関節エコーを腫れている指関節にポンっとあてると、まさに言葉通りに関節の中にメラメラした炎が見えるのです。「これがリウマチの炎症なんだ!」と心の中で叫びました。さらに、指、手、肩、足など検査したい関節にポンっと超音波を当てるだけで、あちこちの関節を一瞬で検査することができてしまいます。またエコー検査なので全く患者さんにレントゲンのような被爆やMRIのような造影剤の負担もありません。まさに夢の検査をみた気分で、「これで今まで診断が難しく悩んでいた患者さんの役に立てる!」とワクワクしながら電車に乗って帰ったのを覚えています。

関節エコー検査の修行、そして相棒に

その後、自分の大学病院でも関節エコ―検査を始めました。ただ関節エコー専用の機械はなかったので、甲状腺や頸動脈用のエコー機器を工夫して関節エコーとして代用しました。リウマチの方はもちろん、医者の友達、薬剤師さん、さらには自分の関節など色々な方に関節エコ―を当てさせて頂き、修行の日々を過ごしていました。すると、今までレントゲンや血液検査では異常がなくリウマチではないと思っていたような方の中に、早期のリウマチの方がいることが分かりました。逆に、関節がはれていて今まではリウマチかもと思っていた方が、関節エコー検査でリウマチでないことが分かったりもしました。そのうち、先輩医師から触知やレントゲンでは診断がつかなかった診断の難しい患者さんを「関節エコーで検査してくれ」と頼まれるようになり、ついに関節エコー専用のエコー機器を用意してもらいました。その後は関節エコーに興味をもってくれる後輩医師もでき、大学に関節エコー検査専用の部屋ができるまでになりました。まさに私のリウマチ医師として歩んだ10年、いつもとなりには関節エコ―検査があり一緒に成長してきた相棒のような感覚です。

その他の検査

診察

関節を触り、圧痛(押して痛む)、腫脹(ぶよぶよ腫れている)があるかを確認します

血液検査

CRP:関節の炎症の程度がわかります。治療してリウマチが良くなると下がります
抗CCP抗体:リウマチの体質があるかを検査します、診断の時に1回だけ測定します

レントゲン

骨の破壊、変形がある

CT検査

レントゲンで分からない肺炎を見つけます。リウマチから間質性肺炎という免疫の肺炎を起こすことがあります。間質性肺炎があると使いにくいリウマチの薬もあるので、治療を始める前に検査をお勧めする事があります。生物学的製剤などのリウマチの治療を安全に行うために、肺にレントゲンで写らないような肺炎(非定形抗酸菌症、気管支炎など)が隠れていないかを調べます。

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