リウマチ治療を中断している方のために
「昔リウマチの薬を飲んだことがあるけど、あまり効かないからやめちゃったよ」
「リウマチが良くなったから薬をやめました。そしたら最近また痛くなってきて、でも前の病院には行きにくくなっちゃって」
「予約の日に行けなかったら、次の予約がだいぶ先になってしまったので行かなくなってしまいました」
「妊娠してリウマチも良くなったからお薬をやめていたけど、出産したあとからまた痛くなってきました」
などなど、リウマチのお薬を中止されるにも色々なご事情があるかと思います。
色々なご事情で治療をお休みしていて、関節が腫れたり・痛んだり・変形が出てきたりとリウマチの症状にお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。
昔リウマチの薬を飲んだことがあるけど
昔リウマチの薬を飲んだことがあるけど、あまり効かないからやめちゃったよ。
今は痛いけど、痛み止めでしのいでるよ。でもだんだん指や肘が曲がってきてしまって。」
確かに昔はリウマチもあまりよいお薬がなく、痛みや腫れの症状を十分に抑えることができませんでした。
ボルタレンやロキソニンといった痛み止め、プレドニンというステロイドホルモン剤しかなかった時代には、ほとんどリウマチの進行を抑えることができず大多数の方が関節の変形を起こされてしまっていました。
その後、金製剤、リマチル、アザルフィジンといったリウマチ薬が出てきて、リウマチの進行を少し抑えられるようになりました。しかし、完全にリウマチの進行を抑えられる方は少なく、多くの方は痛みや腫れが残り、残念ながら関節の変形も徐々に進行してしまいました。
ただ、現在はメトトレキサートというよく効く飲み薬や、生物学的製剤というリウマチの特効薬もできて、お薬がとっても進歩しました。
昔の薬では効果がなかったリウマチの方も治療することができ、また多くの方が関節の変形や破壊が起きずリウマチの進行をしっかりと止めることができるようになりました。
昔、リマチル、アザルフィジンなどのお薬でリウマチが良くならず治療を中断されている方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。
どんな治療がよいか一緒にご相談しましょう♪
昔リウマチの薬を飲んだことがあるけど
昔リウマチの薬を飲んだことがあるけど、あまり効かないからやめちゃったよ。
今は痛いけど、痛み止めでしのいでるよ。でもだんだん指や肘が曲がってきてしまって。」
リウマチ治療の進歩
「リウマチで生物学的製剤とメトトレキサートを使っていたのですが、良くなったから薬をやめました。そしたら最近また痛くなってきて、でも前の病院にも行きにくくなっちゃって」
今はリウマチのお薬がとっても進歩したので、痛みや腫れがすっかり無くなってリウマチがあったことを忘れちゃうくらい良くなる方も多くいらっしゃいます。
そうするとリウマチが治って薬をやめても良いんじゃないかな?と思われるお気持ちはよく分かります。
ただよくよく考えてみると、関節で悪さをしていた免疫細胞は体の中からいなくなったわけではないでんです。
「免疫細胞が関節で悪さしないように、お薬で大人しくさせている」というのがリウマチが良くなった寛解(かんかい)という状況なんですね。
ですので、お薬をまるっきりやめてしまうと「おや?また関節で暴れていいのかな?」と免疫細胞がまた関節の中で悪さをし始めてリウマチの症状が出てきてしまいます。
このようにリウマチが再発してしまった場合、本格的にリウマチが再発してしまう前に早く治療を再開されることをおすすめします。
早く治療を始めるとリウマチもまだ弱いのでお薬が昔より少なくて良くなる可能性があります。
逆に、本格的にリウマチが再発してしまうと、今まで使っていた量のお薬を再開してもリウマチを抑えきれなくなってしまったり、昔は効いた薬が効かなくなってしまうことがあるからです。
「そうはいっても、しばらく通院していしお薬も自分でやめちゃったし、前の病院には行きにくいなぁ」というお気持ちは良く分かります。
そんな時はぜひご相談ください。
まずは昔効果のあったお薬の再開を考えますのでお薬手帳を、いままでの状況が分かる血液検査結果をお持ちいただけると助かります。
リウマチの専門医はとても少ない
「予約の日に行けなかったら、次の予約がだいぶ先になってしまったので行かなくなってしまいました。
お薬もなくなって、また手首や指は腫れてきてしまっています」
リウマチの専門医はとても少ないので、いくつかの病院を掛け持ちして診療をされていることが多いです。
私自身も病院に勤めていた頃は、いくつかの病院でリウマチ外来をさせて頂いておりました。
そうするとどうしても決まった曜日にしかそこの病院にはおりませんので、患者さんが予約日に都合が悪くなると次の予約が数週間先になってしまうなんて状況が出てきてしまいました。
その点クリニックでは毎日私がおりますので、お薬が無くなる少し前でご都合のよい日にお越し頂ければ大丈夫です。
お薬が無くなって時間がたつにつれてリウマチも強くなってきてしまうので、ぜひお薬が無くなる前にご受診くださいね。
妊娠中のリウマチ
「妊娠してリウマチが良くなったお薬をやめていたけど、出産したあとからまた痛くなってきました」
「妊娠中はリウマチが良くなって、出産後にリウマチが悪くなるよ」なんてことを聞かれたことがあるかもしれません。
実際、妊娠中はリウマチが良くなり、リウマチのお薬をやめてしまっても大丈夫なんて方も結構いらっしゃいます。
妊娠中はお腹の中に赤ちゃんがいます。
お母さんの免疫細胞が、お腹の中の赤ちゃんを自分と違うものと認識して攻撃してしまっては大変です。
妊娠中は赤ちゃんを攻撃しないように免疫細胞が大人しくなります。
そうすると関節の中で悪さしている免疫細胞も大人しくなるのでリウマチが良くなると考えられています。
それが出産後には赤ちゃんはお母さんのおなかの中からいなくなるので、免疫細胞が元通り活発になります。
そうすると、関節の中でも免疫細胞が暴れだしてリウマチの症状がまた出てきてしまいます。
それだけでなく、出産後は赤ちゃんを抱っこしたり、おんぶしたりと手指を使う事が多いのもリウマチの症状が妊娠前よりも悪くなる方もいらっしゃいます。
そのため、妊娠中にリウマチが良くなりお薬をやめていた方も、出産後に痛みや腫れが出てきたらすぐにしっかりした治療を再開する必要があります。
その際に注意するのは、授乳中も使えるお薬を選ぶことです。
リウマチの飲み薬の代表、メトトレキサートは妊娠中も使えませんが授乳中も使えません。
そのため、エンブレル、シムジアなどの生物学的製剤や、プレドニン、アザルフィジンなどのお薬がメインになってきます。
妊娠中のリウマチの治療、出産後のリウマチのお薬再開などは、リウマチのお薬を状況をみて上手に使う必要がありますので、ぜひご相談くださいね。
妊娠・授乳中に使用可能な薬剤
生物学的製剤:エンブレル、シムジア、アザルフィジン、プレドニン(<20mg以下)、カロナール
特徴)リウマチが良くなると妊娠率UP
妊娠するとリウマチは良くなる、出産後に悪化
⇒特に出産後は生物学的製剤でしっかりした治療を考慮!