掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは?

皆さん、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という病気を聞いたことはありますか?

「聞いたことないなぁ」

「まず漢字が難しいよね?」

たしかに、あまり馴染みもなく難しい漢字がならんでいて「何だこれ?」という感じかと思います。


一言でいうと

「手のひら、足の裏にボツボツした湿疹」+「鎖骨などの関節が腫れて痛くなる」

という病気です。30-50才の女性に多いと言われています。


稀な病気ではあるのですが、「手足の湿疹は皮膚科よね、鎖骨の痛みは整形外科かしら?」とどこの病院に相談したら良いのか分かりにくく、困ってしまう方が多くいらっしゃいます。

お気持ち良く分かります、まさか「手足の湿疹」と「骨の痛み」が同じ病気が原因なんて驚きですよね。

この掌蹠膿疱症も、免疫細胞が活発化しすぎて自分を攻撃してしまう膠原病の一種になります。


症状)手のひらにボツボツした湿疹

足の裏にボツボツした湿疹

鎖骨(首もとのぽこっと横に長い骨です)が痛い、腫れる

かかと、アキレス腱が痛い

腰が痛い

手指が痛い、膝が痛い


検査)

<血液検査>

CRP:正常~少し上昇 関節の炎症を表します

CCP抗体、抗核抗体、ANCA:陰性  リウマチなどの他の膠原病が無い事の確認

T-Spot、プロカルシトニン:陰性 結核や細菌でないことを確認します


<関節エコー>

リウマチで大活躍の関節エコー検査。実は鎖骨やアキレス腱も検査できてしまうんですね!

これで鎖骨に関節炎が起きていないか、アキレス腱に腱鞘炎が起きていないかもチェックできます。


<レントゲン>

鎖骨や踵の骨に変形、また石灰化という炎症の跡が無いか確認します


治療)

昔は痛み止めやビタミン剤しかありませんでしたが、近年大きく進歩したリウマチのお薬が掌蹠膿疱症の痛みにも効果があることが分かりました。

長年痛み止めだけで良くならない方、生物学的製剤(リウマチの特効薬)での治療もできますので、ぜひ一度ご相談くださいね。


①痛み止め

昔から行われております。

痛みの症状が軽く、月に数回痛みが出る程度でしたら、その時だけ痛み止めを使うだけで大丈夫です。


②生物学的製剤(リウマチ特効薬の注射)


③リウマチ飲み薬

「痛みが強い」「しょっちゅう痛くなるので毎日のように痛み止めを飲んでいる」このような症状の場合には、リウマチで使われる生物学的製剤や飲み薬を定期的に使わせて頂き、痛み自体が起きないようにすることがおすすめです。

特に、生物学的製剤での治療は効き目が早く、また飲み薬で治りにくい鎖骨や腰の痛みにも良く効きます。

またリウマチの治療と同じように、症状が良くなったあとはなるべく注射回数が減らせるようにご相談しましょうね。


④塗り薬

生物学的製剤を使うと、手足の湿疹も良くなる方が多いです。

それに塗り薬も一緒に使うとさらに効果的です。

「炎症を抑える成分」+「保湿成分」をMixした塗り薬をお渡しいたしますので、お風呂上りの皮膚が柔らかくお薬が浸透しやすい時にたっぷり塗ってくださいね。


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