・「面倒くさいから受けていないです」
・「予防接種したのにインフルエンザになったことがあるから、もう受けていないよ」
・「毎年家族で欠かさず受けてます」
など色々な声があるかと思います。
毎年冬になると学級閉鎖などのニュースで有名人のインフルエンザ、いったいどんな病気で、どんな治療があるでしょう?またインフルエンザ予防接種の効果はあるのでしょうか?
①受けないなんてもったいない!インフルエンザ予防接種について
インフルエンザ予防接種、毎年受けている方・受けない方いらっしゃるかと思いますが、実際に効果はどうなのでしょうか?
医学論文によると、「子供に予防接種をするとインフルエンザを77~91%減らす。
また大人に予防接種をすると、20~65歳でインフルエンザを70~90%減らし、65歳以上では58%減らした。」と報告されています。
つまり、予防接種で10人のうち8-9人はインフルエンザを予防できる計算になります。
また65歳以上の方ではややインフルエンザの予防効果がおちますが、「高齢者でインフルエンザによる死亡を80%減らした」と報告されており、インフルエンザが重症化して肺炎など起こし死亡してしまうのを防いでいます。インフルエンザで命を落としてしまう御高齢の方を、予防接種で10人のうち8人助けることができたということです。
「予防接種をうけたのにインフルエンザにかかったから、もう受けないよ」
たしかに予防接種で100%のインフルエンザ予防はできません。
しかし、インフルエンザから70~90%の確立で守ってくれて、もしインフルエンザになっても80%の確立で悪化を防いでくれるのが予防接種ということになります。
インフルエンザになったことがある方は苦い思い出として残っているかと思われますが、風邪の症状とはレベルが違いますよね? 私もインフルエンザや風邪にかかってしまうことがありますが、風邪は解熱剤で熱をさげて踏ん張って仕事をすることもできますが、インフルエンザの高熱・ダルさではフラフラでお手上げでした。そして何よりインフルエンザは感染力が非常に強いので、周囲の方にうつさないように最低5日間は自宅安静をしないといけません。仕事・家事・学校などを5日間以上休むというのは、きついなぁと感じる方も多いいかと思います。
私自身もインフルエンザになるとみなさんにも迷惑をおかけしてしまうので、インフルエンザにかからない努力は全てしておこうと思っております。
インフルエンザにならない為の7つの作戦
- 1 十分な睡眠・運動
不規則な睡眠、運動不足が続くと免疫細胞の働きが弱くなることが言われています。インフルエンザの流行っている時期だからこそ、規則正しい生活が大切です。
- 2 うがい
口・喉のウイルスを取り除くことができます。ただ一番ウイルスがつきやすいのは実は鼻なのですが、この防御には役立ちません。
- 3 手洗い
電車のつり革、机などウイルスが沢山くっついています。帰宅後に手、さらに顔を洗うことでウイルスが鼻・口から侵入するのを防ぎます。
- 4 マスク
ウイルスが体に入るのを3割減らすと言われています。また息でマスクが湿ってくると鼻・のどのバリアが強化されるのでウイルスの侵入を防ぎます
- 5 空気洗浄器/加湿器
インフルエンザは湿度にとても弱いです。湿度 %を目安にしましょう。また寒いと鼻・喉のバリアが弱くなってウイルスの侵入を許してしまいます。 度を目安にしましょう。
- 6 漢方薬
免疫力を高める作用のある漢方薬で、インフルエンザになる人が減ったとの報告があります。どうしてもインフルエンザで休めない方、受験生の方などぜひご相談ください。
- 7 インフルエンザ予防接種
100%予防はできませんが、70~90%予防効果がありインフルエンザ予防の主役です
②熱がでた!すぐに病院に行ったけど早すぎて検査しても分からない
インフルエンザが猛威をふるう中、会社も家族もインフルエンザの人が多い。
気をつけていたけど朝からあちこちが痛くて、熱も38度。
「これはインフルエンザに違いない」、熱でフラフラ病院に行くと、「まだ熱がでて半日たっていないからインフルエンザの検査をしても分かりません。」と言われた事はありませんか?
そうなんです、インフルエンザの検査はインフルエンザウイルスが体のなかで沢山増えないと陽性にならないのです。一般的には、ウイルスの量が多い12時間~48時間の間が検査陽性となる可能性が高いと言われています。その為、熱がでてすぐ病院にいって検査をしても、ウイルス量がまだ少ないためにインフルエンザなのに陰性となってしまうことがあります。
検査の的中確率は40~70%との報告もあり、必ずしも100%の検査ではありません。実際に診察をしていると「お子さんもインフルエンザ、高熱・筋肉痛・関節痛でまずインフルエンザだろうな」と思った方が検査でインフルエンザ陰性になってしまうことがあります。
会社を休む関係でしっかりインフルエンザ検査陽性がないとダメだと言う方で、熱がでてまだ早い時期の方には翌日のインフルエンザ再検査をお勧めしております。残念ながらその日は解熱剤などの風邪薬となります。
しかし、検査は陰性だけどご家族もインフルエンザで症状からもインフルエンザの可能性が高く、まずインフルエンザに間違いない方では症状経過からインフルエンザと診断し、ご希望に応じてインフルエンザのお薬を処方しております。
高熱のも関わらず来て頂いたのに、また明日も来てくださいっていうのは大変ですよね。
早くインフルエンザの薬を飲んで、1日でも早く元気になって頂きたいと願う次第です。
③治療はどうする?タミフル?吸入?
さて、「インフルエンザの検査が陽性」、「検査は陰性だけど症状や家族状況からインフルエンザの可能性濃厚」の方に関して、インフルエンザのお薬をお出しいたします。
現在、インフルエンザの薬は「タミフル」「リレンザ」「イナビル」の3つになります。
いずれもインフルエンザウイルスが増えるのを邪魔する薬となり、1-2日で熱が下がります。
タミフルは1日2回の飲み薬、リレンザは1日2回の吸入でどちらも5日間使用。
イナビルは2本を1回吸入するだけです。
効果に明らかな差はありませんので、飲み薬が良い、吸入が良いなどの患者さんの御希望で選んでおります。
解熱するまでには1-2日をかかりますので、
- ・解熱剤(カロナール)
- ・十分な休息
- ・汗をかいての脱水に注意し、しっかり水分摂取 解熱しても2日間は周囲に感染を起こす可能性があるので
- ・平熱になっても2日間は自宅安静
- ・ご本人、看病されるご家族もマスク
- ・加湿器/空気洗浄機 薬を飲んでしっかり休息、元気になっても2日間は自宅安静が大切です。