- Q:指の痛み、手首の痛み、足首の痛みで病院を受診し、リウマチの血液検査の結果待ちです。膠原病の検査も一緒にしますねと言われたのですが、膠原病の可能性もあるのでしょうか?」(埼玉県川口市:30代女性)
A:正確にはリウマチも膠原病の一種になります。そして、リウマチ以外の膠原病でも手や指の痛み、足の痛みなど、リウマチそっくりの関節痛が出る事があるんです。なので、リウマチと診断する時には、似たようなリウマチ以外の膠原病の可能性がないかもチェックすることが大切ですね。
リウマチの診断に膠原病の検査も必要なの?
ワンポイント解説
リウマチ専門医の間でよく話題になるのが、「リウマチって奥が深くて、診断が難しいよね」という話題です。もちろん、関節の中に炎症が起きているかが見える「関節エコー検査」や「リウマチの血液検査(CCP抗体、リウマチ因子、CRP)」などで、リウマチの診断レベルは10年前とはくらべものにならないほど進歩しました。一昔前までは診断できなかった、リウマチになったばかりの方を早期診断し、早期治療する事で元気なリウマチの方が増えました。
しかし、それでも中にはリウマチの診断が難しい方がいらっしゃいます。
特に、「乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)」や「リウマチ性多発筋痛症」、「シェーグレン」、「全身性エリトマト―デス」などのリウマチ以外の膠原病でも、リウマチと同じように手足の関節が痛くなります。しかも関節が腫れる事もあるので、リウマチとそっくりで区別が正直難しい事があります。
ただ、リウマチに比べてリウマチ以外の膠原病は頻度が少ないので、多くの方はリウマチでOKです。とはいえ、中にはリウマチ以外の膠原病の方がいらっしゃるので注意が必要です。そこで、リウマチの診断をする時は、同時に他の膠原病が隠れていないかの血液検査や、爪や皮膚もみる丁寧な診察が必要になります。
特に、リウマチとその他の膠原病では使うお薬が違っていたり、リウマチ以外の膠原病ではクリニックではなく総合病院に通院されたほうが良かったりと、その後の治療内容が大きく変わってくることがあります。なので、最初にしっかりリウマチの検査だけでなく、リウマチ以外の膠原病の検査もする事が大切なですね。