体重が増えた(BMI25以上)
「特に食べる量は増えていないのになかなか体重が減らないのよね」
そうなんです、昔と同じ食事をしていても体重が増えてしまうのです。
これは代謝が若い頃と比べて年々落ちて行ってしまう事が原因です。
じっとしていても代謝が活発ですとカロリーが消費されて太りません。
体重が増えただけでは特に治療の必要はありませんが、ほおっておくと「高血圧」「高コレステロール」「糖尿病」「膝・腰の痛み」「脂肪肝」などを起こしてきてしまいます。
「週2回程度の散歩」、「野菜から食べてご飯・麺類は腹八分」など試してみてはいかがでしょうか?
ただ注意が必要なのが運動です。
膝・腰が痛む方は、無理して散歩をすると関節を痛めてしまう可能性があります。
関節が痛い方にお勧めなのは、なんといっても「週1-2回のプール運動」です。泳がなくても結構です、水中を歩くだけでも大丈夫です。
水中では浮力で体が軽くなるので、膝・腰に負担がかからず安全に運動できるのでお勧めです。
それでもなかなか痩せられない場合、当院では管理栄養士さんの食事教室を毎月開催しておりますので、ぜひご参加ください。
一人ではなかなか面倒でも、お友達が頑張っているととても励みになりますよ。
また体重が増えた原因になにか病気が隠れていないかも注意しなくてはなりません。
心不全
心臓が疲れて体に水分がたまってしまい体重が増えます。
症状)
体重が増える以外に、足の浮腫み、息切れ、咳 などの症状が出てきます。
検査)
胸のレントゲン:心臓が疲れて大きく広がっていないか、胸に水が貯まっていないかがわかります。
血液検査:BNP 心臓が疲れると高くなる数値です
心電図:不整脈などが出ていないかが分かります。
治療)
体にたまって水分を出してくれる利尿剤、心臓を休めて疲れを取ってくれるβ遮断薬などで治療いたします。
血圧が高いと、血液を全身に送り出す心臓がさらに疲れてしまうので血圧の治療をしっかりすることも大切です。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンという、体の中のエネルギーを使って元気な状態にするホルモンが減ってしまう病気です。
30歳~40歳台の女性の方に多い病気になります。
症状)
体重が増える以外に、寒がりになる、疲れやすい、便秘、足の浮腫み(押しても凹まない浮腫みが特徴です)など、体全体に元気がなくなる症状が見られます。
検査)
血液検査:甲状腺ホルモン 甲状腺ホルモンが減っていないかを測ります
抗甲状腺抗体 甲状腺ホルモンが減った原因に免疫異常が無いかを調べます
甲状腺エコー:甲状腺にしこりなどが出来ていないか調べます
治療)
減ってしまった甲状腺ホルモンを補充する飲み薬になります。
定期的に血液検査で甲状腺ホルモンがちょうどよい量になっているかを確認して、薬の量も調節いたします。