リウマチと温泉の関係と聞くと、「体が温まって気持ちいい」「痛みが少し和らぐ気がする」という実感をお持ちの方も多いかもしれません。そんなリウマチと温泉のお話しをさせて頂ければと思います。

①リウマチの方にやさしい泉質を3つ

温泉のお湯に含まれている成分はには色々な種類があり、「泉質(せんしつ)」と呼ばれています。その中で、リウマチの方におすすめと言われているのが、下記3つになります。

🟢 硫酸塩泉(りゅうさんえんせん)
• しっとりとした湯ざわりで、血行を良くして痛みを和らげる働きが期待されます。
• “痛みの湯”とも呼ばれていて、関節リウマチや神経痛の方によく選ばれています。

🟢 炭酸水素塩泉(たんさんすいそえんせん)
•肌ざわりがやわらかくて、皮膚をなめらかにするほか、炎症をやわらげる作用があるとされています。
•湯上がりもスッキリしていて、手指などこわばりの強い方に特におすすめです。

🟢単純温泉(たんじゅんおんせん)
• 成分の濃度が控えめで、刺激が少ないお湯です。
• 高齢の方や肌の弱い方にも安心で、リウマチで体調が不安定な時でも比較的入りやすいとされています。

②温泉は泉質に加えて「温かさ」+「浮力」+「リラックス」の効果

それ以外の泉質は効果が無いの?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな事はありません。
泉質に関わらず、温泉で身体が温まることで血行が良くなり、痛みやこわばりを軽くすることが期待できます。
また、お湯の浮力で関節にかかるの負担が減るため、普段より楽に体を動かせてストレッチになります。
加えて、自然の中でゆったりと過ごす時間そのものが、ストレスを和らげ、自律神経や免疫のバランスを整える助けになるともいわれています。

③温泉で気をつけたいポイント

ただリウマチで治療を始めたばかりの方や、リウマチが再発してしまっている方など、関節が赤く腫れて痛みが強く出ている時は温泉を控えた方が良い場合があります。
このような時は、温泉で体を温めすぎることでかえってリウマチの炎症を強めて症状が悪化することもあります。
以下の点にご注意ください。
• 関節が強く腫れて熱をもっているときは避けましょう
• 熱すぎるお湯(42℃以上)は刺激が強く、逆効果になることもあります
• 長時間の入浴は控え、10〜15分程度を目安にしましょう
• 入浴後の水分補給は忘れずに
• どの泉質が合うかどうかは個人差があります。合わないと思ったら早めに温泉から出ましょう

リウマチの治療で一番大切なのはお薬です。温泉はリウマチを治療するものではありませんが、生活の中で上手に取り入れれば、体と心の両方にやさしく寄り添ってくれる存在です。 調子の良いときに、負担の少ない泉質・温度・時間で、気持ちよく温泉を楽しんでみてくださいね。