日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。

数年前に皮膚科で乾癬と診断して頂きました。塗り薬を付けているのですが、最近皮膚や頭皮の湿疹が良くなりません。最近乾癬に新しい飲み薬が出たと聞き、ぜひ試してみたいです。 (川口市 60台男性)
1年前に「オテズラ」という新しい乾癬の飲み薬が日本でも使えるようになりました。多くの乾癬の方(およそ7割程度)で皮膚症状の改善が期待できる飲み薬になります。 また塗り薬が使いにくい頭皮や爪の乾癬にも効果が期待できます。 効き目は3か月以内にでてきますので、まずは3か月試してみましょう。
ワンポイント解説

今までは塗り薬しかなかった乾癬も、ここ数年で「新しい飲み薬」や、「生物学的製剤」という注射など、大きく治療が進歩しています。
その中で、乾癬の飲み薬として昨年より使えるようになった新しいお薬が「オテズラ」です。
乾癬の皮膚や関節ではPDE4(ホスホジエステラーゼ4)という物質が沢山できてしまい、これが原因となって自分の免疫細胞が暴走し皮膚や爪、関節に悪さをしていることが分かってきました。オテズラは、この増えて悪さをしているPDE4という物質を抑えて、乾癬を治していくお薬になります。


オテズラは、
①今までの塗り薬では良くならない皮膚症状の方
②塗り薬が使いにくい頭皮や爪の症状を改善したい方
に特にお勧めの飲み薬になります。
オテズラは飲み始めに頭痛、胃もたれや、便が柔らかくなることがあるので、最初は少ない量で初めて、6日間で徐々にお薬を増やしていきます。 効果は数か月かけて徐々に出てきて、3か月で多くの方(7割程度の方)の皮膚や頭皮、爪症状が改善します。飲み薬で皮膚・爪・頭皮の乾癬を改善したい方にお勧めのお薬です♪ 値段は3割負担で月に約17000円、1割負担で約6000円になります。 新薬という事もあって少し高めになっています。お薬の値段もありますので、個人的には乾癬が良くなったらお薬を半分などに減らしていっても良いのかなと思っています。 お薬の減量に関しては症状の治り具合などをみて、相談していきましょう。 飲み薬で乾癬の治療を考えたい方は、ぜひご相談くださいね。