日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。
- 3年前に手首と膝が腫れてエンブレル、リウマトレックスで関節リウマチの治療をしていました。寛解になったので現在はアザルフィジンというお薬に変わったのですが、2週間前から手首と指が腫れてきました。寛解と言われても再発はあるんですか?(東京都板橋区在住 50台男性)
- 関節リウマチの症状や腫れが無い状況を「寛解(かんかい)」と呼びます。分かりにくいにのは「寛解」は「完治」とは違うという事です。お薬を使いながらリウマチをしっかり抑えて良い状態になっているのが「寛解」です。
おそらく、エンブレル、リウマトレックスに比べると効果の弱いアザルフィジンに変わったことでリウマチが抑えられなくなり再発した可能性が高いかと思われます。
⇒その後、リウマトレックスを再開させて頂き、手首・指の腫れもなくなり再び寛解となられました。
ワンポイント解説
リウマチはもともと自分の体の中にある免疫細胞が自分を攻撃してしまうのが原因になりますので、リウマチのお薬をやめたりするとまた体の中の免疫細胞が悪さをしてリウマチを再発してしまう事が多いです。
同じ関節の痛みでも、ケガや骨折のように傷が治れば完治して薬がいらなくなる病気とは違うんですね。
そのため、リウマチの治療目標である「寛解」もお薬を使いながらリウマチがしっかり抑えられている状態をいいます。
そのため、リウマチのお薬中止したり、弱くし過ぎたりした場合、寛解であった方がリウマチを再発して痛みや腫れが出てきてしまうことがあります。
リウマチのお薬は、将来の再発や変形を予防するために日ごろから備えておく保険のようなイメージでしょうか。症状が無くなり寛解となったあとも、リウマチが再発しないようにお薬をしっかり続けることが大切なんですね。