日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。

2年前から生物学的製剤の点滴を月1回病院でしています。

今年に入って痛みがまた出てきて、点滴をすると熱も出るようになってきました。

生物学的製剤の中には、抗体というものが出来て効果が無くなってしまうものがあります。

一度抗体ができてしまうと、効果がなくなるだけでなく熱などアレルギー反応もでやすくなります。

他の抗体ができにくい生物学的製剤に変更してみても良いかと思います。

ワンポイント解説

リウマチの特効薬の生物学的製剤ですが、現在7種類あります。

どれもとってもリウマチを良くしてくれるお薬ですが、残念ながら使っているうちお薬に対して抗体ができてしまうことがあります。

体が薬を悪いものと認識してしまって、排除するために抗体ができるんですね。

いったん抗体ができてしまうと、生物学的製剤が体に入ってもすぐに抗体で取り除かれてしまうのでリウマチの痛みが再発してしまいます。

さらに点滴の生物学的製剤の場合には、1-2か月分の多量のお薬が直接血液の中にはいるので、お薬と抗体が強く反応して、熱やだるさ、喘息症状、湿疹、血圧が下がったりなどの症状が出てしまうことがあります。

 

今まで良かった生物学的製剤が効かなくなった場合には抗体ができてしまった可能性があります。

その際には抗体ができにくい他の生物学的製剤に変更することも必要なんですね。

 

抗体のできにくい生物学的製剤

・オレンシア皮下注射

・シムジア皮下注射

・エンブレル皮下注射

 

抗体ができやすい生物学的製剤

・レミケード点滴