「乾癬(かんせん)性関節炎の最新治療♪」ブログ診療所(45)
日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。

数年前から、指先が腫れて痛みがあります。最近はアキレス腱や足趾の指も腫れたりして痛くなります。
何件か病院にも行ったのですが、血液検査でリウマチの反応がでませんでした。 これはリウマチでしょうか?
爪の変化(小さな凹み、爪が浮き上がっている)、髪の毛の中や耳回りにカサカサした湿疹がありますね。
関節エコー検査でも手指・アキレス腱・足趾の関節の中に炎症がでています。
これはリウマチの親戚のような病気で、乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)というものになります。

ワンポイント解説

乾癬(かんせん)性関節炎といってもあまり効き馴染みがないかもしれませんが、リウマチという診断がつかず原因不明の関節痛に困っている方の中に隠れている大事な病気になります。
なぜ乾癬性関節炎の診断は難しいのでしょうか?
その原因を考えてみると
① リウマチのような診断に役立つ血液検査(CCP抗体、リウマチ因子)がない
② 乾癬自体が皮膚の病気なので、患者さんもまさか皮膚の病気で関節に痛みがでるとは気がつかない
③ 指の先端(第1関節)の腫れが、変形性関節症(=加齢変化)と区別しにくい
といった点になります。
そのため「乾癬の皮膚・爪症状がないか?」をしっかり診察することと、「関節に炎症が起きていないか?」を関節エコー検査でしっかり調べることが大切になります。
そんな乾癬ですが、今ではリウマチのように生物学的製剤が登場してとっても治療が良くなりました。
昔からあったリウマチにも使われるヒュミラという生物学的製剤だけでなく、最近では乾癬専用に作られたコセンティクスという新しい生物学的製剤も登場しました。
乾癬にはIL-17という物質が大きな原因となっていることが判明し、そのIL17を退治するように作られたお薬がコセンティクスになります。
乾癬にはとっても良く効きますが、リウマチにはあまり効果がなく、まさに乾癬専用の特効薬といったものになります。

「手指・足趾・アキレス腱が腫れるけど血液検査でリウマチの反応がでない原因不明の関節痛の方」
「塗り薬で皮膚が良くならずお悩みの乾癬の方」
「手指・足指など関節の痛みのある乾癬の方」 などぜひご相談くださいね♪