「リウマチと肺炎について~バクタってなんの薬?~」ブログ診療所(43)
日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。

肺炎を予防するお薬があるって聞きました。どんなお薬なんですか?

「バクタ(=ダイフェン)」という飲み薬になります。肺炎にも色々な種類がありますが、進行が早く重症化しやすいのがニューモシスチス肺炎というカビの肺炎になります。この怖いカビの肺炎を予防するお薬が「バクタ」になります。週2回内服して頂くだけで大丈夫なので、ぜひ「バクタ」を使って怖いカビ肺炎を予防しましょう♪

ワンポイント解説

よく肺炎というのを耳にすることがあると思いますが、肺炎も原因によって細菌性肺炎、間質性肺炎、ウイルス性肺炎など多くの種類があります。

そんな沢山の種類がある肺炎の中でも、リウマチの方が特に気を付けなくてはいけない肺炎が「ニューモシスチス肺炎」というカビが原因の肺炎になります。

このニューモシスチスというカビですが、実は多くの方(70%前後)がもともと体の中にもっているんです。普段は悪さをせずに気管や肺にひっそり住んでいるんですね。

問題は、このニューモシスチスというカビがリウマチのお薬を使っていると増えてきてしまう事があることです。肺の中でこのニューモシスチスが増えてくると、体がそれを退治しようとして免疫細胞が集まってきます。

ところが何とこの集まってきた免疫細胞が、リウマチの方の場合は過剰に暴れまわってしまい周りの肺まで壊してしまうんです!

その結果、普通の細菌が原因の肺炎と違ってニューモシスチス肺炎の場合には急速に肺炎が悪化することがあります。そのためニューモシスチス肺炎の場合にはすぐに病院に入院しなくてはいけません。

さらに厄介なのが、普通の細菌が原因の肺炎と違って咳や痰、高熱などの症状が出にくい事です。なんとなく食欲がないな、微熱があるな、だるいなといったあまり肺炎ぽくない症状しかないので、見つけるのが大変です。

そこで大切なのが、「バクタ」というお薬であらかじめニューモシスチス肺炎を予防してしまう事です!

「バクタ」自体は膀胱炎などの時によく使われる昔から抗生剤なのですが、これがカビであるニューモシスチスにも効果があります。また週2回使うだけで大丈夫ですので、ぜひおすすめさせて頂きたいお薬になります。