リウマチと結核について~Tspotってなんの検査?~」ブログ診療所(42)
日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。

リウマチの治療に結核の血液検査が必要と聞きました。どんな検査なのでしょうか?
「Tspot」という血液検査になります。検査自体は通常の採血と一緒にできます。 実は咳や熱が無くても、結核が体の中で冬眠していることがあります。リウマチの治療を始めたり、加齢で免疫力が低下したりすると、体の中で冬眠していた結核が悪さをしてくることが稀にあります。それを事前に見つける検査が、「Tspot」という血液検査になります。
ワンポイント解説

日本は欧米に比べて結核の対策30-40年遅れて始まったので、1950年代に入ってようやく結核を患う方が減り始めました。現在では結核の予防接種なども進み大分少なくなりましたが、とくに子供時代に結核の方が周りにいたと思われる、70才以上の方では半数近くに方が結核の菌が冬眠していると言われています。
その冬眠している結核菌が、リウマチの治療を始めたり、加齢で免疫力が落ちてくると冬眠から目を覚まして悪さをしてくることが稀にあり、注意が必要です。

冬眠している結核を見つけるポイントが3つ

① ご本人・周りに結核の方がいた
(昔は「肺浸潤」「肋膜炎」「肺門リンパ節炎」などの言葉で説明されていることがあります)
② 健康診断のレントゲンで異常があった
③ 血液検査「Tspot」でひっかかった

このどれか1つに当てはまれば結核菌が冬眠している可能性があるので、除菌が必要になってきます。
その場合にはイスコチンという結核のお薬を使いながらのリウマチ治療になります。
100%ではありませんが結核の発病を大幅に減らすことが出来ます。また場合によっては胸部CT検査なども必要になってきます。

胸部レントゲンは健康診断で受けられていることが多いので、クリニックで新たに行う結核検査としては、血液検査「Tspot」になってきます。
安全にリウマチ治療を行うために、結核の血液検査「Tspot」が必要になってくるんですね。