日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。

先日会社の人間ドックを受けたら、リウマチ反応が出ていると言われました。リウマチの精密検査をするよう言われたのですがリウマチでしょうか?
リウマチ反応(リウマトイド因子)はリウマチでない方でも5%程度陽性になるのでそれだけでリウマチというわけではありません。 一番大事なのは、関節に腫れ・痛みといった症状があるかどうかになります。症状が無い場合には少なくともリウマチの治療をする必要はありません。 手指に気になる症状がある方は、「関節エコー検査」「CCP抗体(血液検査)」で、今リウマチが起きているのか、また将来リウマチになる可能性が高いのか分かります。
ワンポイント解説

人間ドックでよく検査をされるリウマチ反応(リウマトイド因子)はリウマチの診断に昔から使われてきた検査です。リウマチの方10人中8人位がリウマチ因子陽性となります。
しかし、リウマチでない方でもリウマチ反応は5%程度陽性になります。
20人に1人はリウマチではないのに引っかかってしまうんです。つまりリウマチ反応が出ただけではリウマチというわけではないんですね。またリウマチ以外の膠原病(シェーグレン症候群など)でもリウマチ反応は引っかかつてしまいます。

ただリウマチ反応が出ていて、手指の関節が痛む場合などはリウマチの可能性が高くなります。
その場合には「①関節エコー検査」「②CCP抗体などの血液検査」で精密検査をすることがおすすめです。

関節エコー検査は、気になる関節にポンッとエコーをあてると関節の中が見えるので関節に中で炎症が起きているかどうかがその場で分かります。
気になる症状のある関節の中で炎症が起きていた場合には、現在リウマチを発症している可能性が高くなります。
また血液検査のCCP抗体というもので、リウマチの体質があるかが分かり今後リウマチになる可能性が高いかが予想できます。
さらにSSA抗体やdsDNA抗体などの血液検査で、リウマチ反応が陽性になってしまうリウマチ以外の膠原病が隠れていないかを検査します。

「人間ドックの結果でリウマチの再検査が出てしまったし、手指の痛みも前から気になっていたんだけど、どこに相談しよう?」とお悩みの方、いつでもご相談くださいね。