「生物学的製剤とアレルギー」ブログ診療所(54)
レミケードの点滴で治療をしています。リウマチはよくなったのですが、最近になり点滴中に苦しくなり、全身に湿疹が出るようになり中止となりました。アレルギー反応がでてしまったと言われています。レミケード点滴が中止になったので、また手首や膝の腫れがでてきています。
レミケードにはマウスのたんぱく質が含まれていますので、これに対する抗体(薬を体から排除する物質)ができてしまい、アレルギー反応が出てしまったと思われます。レミケード以外の、抗体ができにくい他の生物学的製剤に変更していくのが良いかと思われます。さらに、アレルギー症状がでたとしても点滴よりも皮下注射の方が軽いので、皮下注射タイプの生物学的製剤を選ばれることとおすすめします。

ワンポイント解説:

イラスト

今までよく効いていた生物学的製剤の効き目が悪くなる、または湿疹や息苦しさなどのアレルギーがでて使えなくなってしまう事があります。これはお薬を体から排除しようとする物質(薬物抗体)が出来てしまうことで起きてきます。 一度この薬物抗体ができてしまうと、同じ生物学製剤を使っても効果はなく、さらにアレルギー症状は悪化する恐れがあるので中止しなくてはいけません。
そして、他の生物学的製剤に変更する必要が出てきます。
つぎの生物学的製剤に何を選ぶかですが、上手な選び方のポイントが3つ
①レミケードは使い始めの頃よく効いていましたか?
「はい」:レミケードと同じTNFαに効くタイプの生物学的製剤を選ぶと効き目がある可能性が高いです(エタネルセプト シンポニー シムジアなど)
「いいえ」:T細胞、IL6など他のタイプの生物学的製剤への変更を考えてみましょう
     (オレンシア アクテムラ ケブザラなど)

②薬物抗体のできにくい生物学的製剤を選びましょう
「〇」:エタネルセプト オレンシア アクテムラ など
「×」:レミケード ヒュミラ など

③アレルギー症状の軽い注射方法を選びましょう
「〇」:皮下注射
「×」:点滴
※皮下注射ではアレルギー反応が出ても注射したところが赤くなる程度です。注射を中止せず、塗り薬などで対応しているうちに出なくなることがほとんどです。