「膝の裏の痛み、ベーカーのう腫って何?」ブログ診療所(50)
リウマチで治療しています。膝の腫れと痛みがなかなか良くならずにいたのですが、先週から膝の裏も腫れてきて、ふくらはぎの筋肉が非常に痛く歩けなくなってしまいました。これもリウマチでしょうか?
関節エコー検査で診てみると、膝の裏~ふくらはぎの筋肉の中に液体が貯まっているのが見えますね。これは「ベーカーのうしゅ腫」というものになります。膝関節のリウマチが膝の裏、さらにはふくらはぎの筋肉に出てきたものになります。リウマチのお薬を一緒に考えていきましょう!

ワンポイント解説:

イラスト

リウマチで膝が腫れるのは分かるけど、膝の裏の腫れや、ふくらはぎの筋肉痛は他の原因かと思ってしまいますよね。 実はベーカーのう種といって、リウマチが原因でおきてくる痛みになります。膝の関節は膝裏にもつながっているので、膝のリウマチが良くならずに水が沢山溜まってしまうと膝の裏に水が貯まってきます。この水は袋に包まれているのですが、さらに水が増えると袋が膝下のふくらはぎにまで膨らんで、破れてしまうことがあります。そうすると、ふくらはぎなどの筋肉に炎症を起こしてかなり強い痛みを起こしてきます。

<関節エコー検査>

イラスト


膝:リウマチの炎症(赤色部分)と水(黒色部分)が貯まってます(左)
ふくらはぎ:膝の水がふくらはぎにまで貯まっています(黒色部分:ベーカーのう腫)(右)


治療は応急処置的には膝関節の水を抜いたり、注射なります。 ただリウマチが原因でベーカーのう腫が起きている場合には、リウマチ自体を治していかないと再び膝が腫れてベーカーのう腫ができてしまいます。リウマチの治療を見直してしっかり治療をすることが大切です。