日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。

648012
リウマチになると特殊な肺炎に注意したほうが良いと言われました。どんな肺炎なんですか?
リウマチは関節の痛みだけでなく、肺にもリウマチの影響が出てくることがあります。
間質性肺炎」という免疫の肺炎、「気管支拡張症」で肺に最近が住み着いている状態、「ニューモシスチス肺炎」というカビの肺炎などがあります。
それぞれしっかり予防することと、早期発見・治療することが大切ですよ。
ワンポイント解説 リウマチ自体で起きてくる、または治療で起きてくる特殊な肺炎として、「間質性肺炎」「気管支拡張症」「ニューモシスチス肺炎」というものがあります。
 

「間質性肺炎」
リウマチ自体で起きてくる免疫の肺炎になります。リウマチの悪い免疫細胞が関節だけでなく肺で悪さをするのが原因です。間質性肺炎にも色々な種類がありますが、多くは進行せずに治療も必要ありません。ただリウマチで一番良く使う飲み薬「メトレート」が使いにくくなるので、お薬を選ぶ際に注意が必要です。肺の音(特に背中の下方)やレントゲン、KL6という血液検査で発見します。

 

「気管支拡張症」
これもリウマチ自体で起きてきます。リウマチの悪い免疫細胞が気管支で悪さをして気管が広がってしまい、その広がった場所に細菌が住み着いてしまう状態をいいます。それだけでは特に問題ありませんが、風邪をひいて体力が落ちた時などに肺に住み着いていた細菌が増えて気管支炎を起こしてくることが問題です。この場合には抗生剤の治療が必要になります。肺の音やレントゲン、胸CTなどで発見します。

 

「ニューモシスチス肺炎」
ニューモシスチスというカビの肺炎になります。みんな体の中にカビがいますが、リウマチの治療で免疫が下がるとカビが増えてきて肺炎を起こすことがあります。
普通の肺炎に比べて咳・痰などがあまり出ないので見つけにくい厄介な肺炎になります。
βDグルカンという血液検査で発見します。
ただこれはバクタという抗生剤で予防ができてしまうので、当院ではできるだけ皆さんにバクタを使わせて頂いております。

 
ただこういった特殊な肺炎が起きる可能性はとても低いです。
また月1回の定期診察・血液検査で肺炎の早期発見、バクタのカビ肺炎予防をすることで、さらに肺炎の可能性はなくなるので、あまり心配しすぎないでくださいね♪