日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。

 

171609

妊娠を考えているんですが、リウマチもなかなか良くなりません。妊娠はあきらめてリウマチの治療に専念したほうが良いでしょうか?
妊娠中の使えるリウマチのお薬もありますので、ぜひ妊娠もリウマチも両方も一緒に頑張りましょう。
ワンポイント解説 たしかに飲み薬の代表メトレートは妊娠3か月前から中止する必要があり、妊娠中や授乳中もが使えません。しかし、今は妊娠中も使えてしっかりリウマチを治してくれる生物学的製剤がありますので安心してください。
 

「エンブレル」「シムジア」
7種類ある生物学的製剤の中で、エンブレル、シムジアの2種類は妊娠・授乳中も使うことができます。詳細は省きますが、他の生物学的製剤は胎盤を通ってしまうのでお腹の中の赤ちゃんに届いてしまうのですが、この2種類のお薬は胎盤と通らないのでお腹の中の赤ちゃんに影響がありません。また母乳にも出てこないので、授乳も問題ありません。
昔は妊娠中使えるお薬が飲み薬の一部しかなく、リウマチの症状を抑えるのが大変なこともありましたが、今はこの2種類のお薬のおかげで妊娠中もリウマチをしっかり治療することができるようになりました。

 

プレドニン
昔からリウマチの方が妊娠されて場合に使われてきたお薬です。プレドニン20㎎以下では赤ちゃんの影響がない事が分かっております。リウマチで使用する場合はさらに少ない5㎎前後ですので、妊娠中も使用可能です。

 

アザルフィジン
エンブレル、シムジアよりは効き目は弱いですが、妊娠中も使用できる大切な飲み薬の一つになります。

 

カロナール
妊娠中も使える痛み止めになります。ロキソニンなどの痛み止めは使えませんが、カロナールなら安心です。


リウマチが良くなると胎盤の状態がよくなるので妊娠しやすくなります。また、妊娠するとリウマチ自体が良くなる方が多いです。
リウマチ治療をしながら、元気な赤ちゃんを出産されたというお話をお聞きしたり、お子さんにお会いできると私自身も本当に嬉しく思います。
リウマチと妊娠で迷っている方がいらっしゃいましたら、いつでもご相談くださいね。