ご家族より「リウマチ」と聞かれて、驚かれた方もいらっしゃる事かと思います。
「この先どうなるのかな?」「どんな治療をするのかな?」
「そもそもリウマチって何?」といろいろ気になることが出てくるかもしれません。
そんな気になる点に、少しでもお答えできればと思います。

Q1、関節リウマチって何?原因は?


⇒みなさんの体には、細菌・ウイルスを退治する免疫細胞があります。この免疫細胞が間違って自分の関節を攻撃してしまう病気が関節リウマチになります。
そうすると、手指や膝、足の関節が腫れて痛くなってしまいます。

原因としては、お一人お一人が生まれ持った体質が一番になります。そこに喫煙や歯周病、ケガや過度のストレスなど外からの刺激が加わるとリウマチを起こしやすくなります。
ぜひご家族皆さんで禁煙をして頂けるといいなと思います。

Q2、リウマチの診断はどうやってするのですか?


⇒リウマチの診断は、「関節エコー検査」「血液検査」を組み合わせて行います。
関節エコー検査は、関節の中に炎症が起きているかを見ることができる最新の検査です。血液検査は3項目があり、3項目すべてが高値になる方もいれば、0項目でも初期のリウマチということがあります。
血液検査が正常でも「関節エコー検査」で複数の関節の中に炎症が起きていて、他の病気が見つからない時には、関節リウマチの診断になることがあります。

Q4、リウマチのお薬について教えてください


⇒リウマチの治療はここ10年で大きく進歩しました。痛み止めしかなく、手指が曲がってしまう変形を止められなかった時代とは違い、現在は良い薬がたくさん登場しております。
~よく使うお薬~
プレドニン(ステロイド): 2-3日で痛みや腫れを改善してくれる、非常に速効性のあるお薬です。何十年も高用量を使用していると、骨粗鬆症、糖尿病などが出てくることがあるので、他のリウマチのお薬が効いてきたら減量していきます。

メトレート:飲み薬の中で効果No1のお薬です。8割以上のリウマチの方が使われている、基本になるお薬です。(妊娠前や授乳中は使用できないなどありますので、別冊子をご参照頂けると幸いです)

タクロリムス、ケアラム:ご高齢の方、腎臓や肝臓の数値が高い方に使用して頂ける薬です。

~生物学的製剤~
エタネルセプトBS:生物学的製剤というリウマチの特効薬の一つです。1-2週間おきに、ご自宅で皮下注射をします

リウマチの治療は、これらのお薬を組み合わせてみんなで力を併せてすすめていきます。

Q5、5年後、10年後はどのようになるのでしょうか?


リウマチの治療は以下の3ステップを目指して行います。
Step1:お薬でリウマチが完全に収まった状態(寛解:かんかい)を目指して、徐々にお薬を増やして治療を行います。
Step2:寛解になった後は、リウマチが再発しないようにお薬をしっかり継続することが大切です。
Step3:お薬をしっかり継続し、寛解が維持できていれば、5年後や10年後もリウマチによる手指の変形など起きずに元気にお過ごし頂く事が可能です。
※リウマチが良くなった後もお薬をしっかり継続することが大切です。ぜひご家族からも治療の継続の大切さをお伝えいただけると幸いです。

Q6、通院費用、お薬費用はどの程度かかるのでしょうか??


⇒治療内容やリウマチの状況によって変わってきますが、3割の自己負担の目安は以下になります。ご参考になりますと幸いです。
○血液検査を含めた診察費(クリニック): 月3000~5000円前後 
○お薬費(薬局):
メトレート 月1000~1500円前後
ケアラム 月3000円前後
エタネルセプト月2本 1.1万円前後

~最後までお読みいただきありがとうございます!~


リウマチの治療はここ10年で非常に進歩しました。昔のように痛くて動くことができなってしまう病気ではなく、しっかり治療を続けて頂く事でお仕事を続けたり、今までと同じ生活を目指すことも可能になりました。
しかし、それでも体調によっては痛みが出てしまったり、ご不安になられたりする事があるかと思います。
そんなご家族が辛そうな時は、スーパーの買い物袋など重たいものを持っていただいたり、床に座るのは膝に負担が大きいので椅子やソファーをご用意いただいたり、日常生活をサポートして頂けると幸いです。
またご家族の不安な気持ちを受け止めて、前向きにリウマチと付き合っていけるようにサポート頂けると嬉しいです。
印刷用のPDFはコチラ