「リウマチのお薬と予防接種」ブログ診療所(55)
生物学的製剤とメトトレキサートで治療をしています。インフルエンザの予防接種を受けたいのですが、大丈夫でしょうか?
インフルエンザの予防接種のような、不活化ワクチンは問題なく接種できます。また、65才になると市からハガキがくる肺炎球菌の予防接種も、不活化ワクチンになりますので問題ありません。ただ通常あまり使う事のないですが、生ワクチンと呼ばれる種類の予防接種はできませんので、ご注意くださいね。

ワンポイント解説:

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リウマチ治療中の予防接種には、「受けて良いもの」、「受けてはいけないもの」があるので、ぜひご確認ください。 予防接種に使われるワクチンは大きく2つに分けられ、不活化ワクチンと生ワクチンという種類があることをご存知でしょうか?

①不活化ワクチン
細菌やウイルスの一部成分だけをを取り出しワクチンにしたものです。
細菌やウイルスはすでに死んでしまっていますので、ワクチンを打って感染するような危険性もなくリウマチ治療中の方も問題なく接種できます。
・不活化ワクチンの仲間⇒肺炎球菌、インフルエンザ、B型肝炎など接種OK!
・毎年受けるインフルエンザ予防接種、65才を過ぎるとハガキがくる肺炎球菌予防接種は問題なくうけられますので、ご安心くださいね。

②生ワクチン
生きた細菌やウイルスの弱らせてさせて作ったワクチンです。 弱くなっているとはいえ、生きた細菌やウイルスが入っていますのでそこから感染してしまう可能性が否定はできず、現状ではリウマチ治療中の方は受けてはいけない事になっています。
・生ワクチンの仲間⇒
水痘(みずぼうそう)、麻疹(はしか)、帯状疱疹(たいじょうほうしん)、風疹(ふうしん)、BCG、おたふくかぜ、ポリオなどは接種不可×

・大人では特別な場合を除いて受ける機会のない予防接種ばかりになり、通常問題になることはあまりありません。
・妊婦さんで生物学的製剤を使用されている方は、出産された赤ちゃんの最初の予防接種を遅らせて生後6か月からにすることがすすめられていますので、赤ちゃんの予防接種スケジュールを小児科の先生とよくご相談くださいね。