「軽いリウマチと言われお薬を始めたけど、良くならない」ブログ診療所(52)
半年前から手首や足首に痛みがありました。2か月前に病院で血液検査をしたところリウマチと診断されました。でも炎症の数値は低いので軽いリウマチだよと言われ、アザルフィジンというお薬を始めたのですが、手首とアキレス腱が痛くて良くなりません。 (さいたま市 60台 女性)
たしかに血液検査のCRPという炎症の数値は正常ですが、エコーで関節を見てみると、手首とアキレス腱に強い炎症が出ています。小さな関節内の炎症や、リウマチが起きている関節の数が少ないと、血液検査の炎症の数値CRPは低い事があるんですね。 リウマチの治療は早くしっかりと良くすることが大切です。メトトレキサートや一時的にプレドニンなども使って、まずはしっかりリウマチを良くしていきましょう。

ワンポイント解説:

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治療開始前にリウマチの強さ推測したり、治療開始後にリウマチがいまどの程度残っているのかを知るのに、血液検査の炎症反応CRPはとても便利な検査です。CRPが高ければ、最初からしっかりしたお薬で治療を開始したり、現在のお薬を増やして治療を強化する必要があります。
ただ難しいのは、CRPが低いからと言って、必ずしも軽いリウマチであったり、リウマチが完全に治まっているわけではないという事です。
もちろんリウマチが完全に良くなってCRPが低い方も多くいらっしゃいますが、指・手首・足指・アキレス腱など小さな関節が痛みそこに強いリウマチがあっても、CRPが低いままのことがあるんです!そしてお越し頂く方が痛いとおっしゃる関節には、エコーで確認するとリウマチが残っていることがほとんどで、リウマチのお薬を再検討して良くなられる方が多いです。
リウマチと診断し治療を始める時に一番大切なことは、「リウマチの強さを見極めて適切なお薬で早くリウマチを良くする」ことです。
それには血液検査のCRPだけでなく、関節エコー検査も行ってどの関節のどの程度の強さのリウマチが起きているのかをしっかりと把握することが大切なんですね。
リウマチのお薬を始めてもなかなか痛みや腫れが取れない場合には、リウマチが残っていてお薬を変更したほうが良い場合もありますので、ぜひご相談くださいね。