「血液検査で少しリウマチの可能性がある?」ブログ診療所(46)
日々の診療で皆さんからよくお聞きする質問や症状などについて、ご紹介していきます。
- 2週間前から手指、足の裏が腫れて痛くなりました。数か月前にも痛くなったことがあって、その時に血液検査をしたところリウマチの反応がでていてリウマチの可能性があると言われましたが、炎症の数値が上がっていないので様子をみていました。
- 関節エコー検査でみると、人差し指、手首、足指の関節の中で炎症が起きていますね。
とくに足指は少し骨が壊れた場所(びらん)がありますね。
小さな関節の中の炎症は、血液検査では炎症の数値が上がらないことも良くあります。
骨の破壊も起きてきていますので、ぜひ早めに治療をしていきましょう。
ワンポイント解説
リウマチの血液検査は大きく3つあります。
・リウマチの体質があるかが分かる「CCP抗体」「リウマチ反応」
・関節内の炎症の程度が分かる「CRP」 になります。
大切なのは全てのリウマチがこの3項目全てが引っかかるわけで無い事です。
1項目でも引っかかって、手指・足指の痛みのある方はリウマチの可能性が高いのでぜひ「関節エコー検査」をしましょう!
実際にご相談いただいた患者さんのように、「CCP抗体」「リウマチ反応」は出ているけど「CRP」は正常という方が、多くいらっしゃいます。
特にリウマチになったばかりの早期リウマチの方、手指・足指などの小さな関節だけにリウマチが出ている方は「CRP」が正常という事がよくあります。
ほかにも「CCP抗体」「リウマチ反応」は正常だけと「CRP」だけ高いリウマチの方、さらには「CCP抗体」「リウマチ反応」「CRP」全て正常で血液検査では分からないリウマチの方も患者さん全体の1-2割程度いらっしゃいます。
そこで大切なのが、「関節エコー検査」で関節の中をしっかりみてリウマチが出ていないか調べることです!
見た目では腫れていない手指や、あまり痛くない足指が、関節エコーで見ると実は大きなリウマチの炎症が起きていて、すでに骨の破壊や変形が出てきているなんてことも良くあります。
少なくとも「CCP抗体」「リウマチ反応」「CRP」のどれか一つでも引っかかって、手指・足指に痛みがある方は「関節リウマチ」の可能性が高いです。ぜひ関節エコー検査でしっかり調べましょう♪