手の浮腫み、足の浮腫みなどの症状がある方
RS3PE症候群
アルファベットで難しい名前の病気ですよね、ただこれが正式名称なんです。
名前は難しいですが一言でいうと、ある日急に手足がパンパンに腫れて痛む、ご高齢の方に多いリウマチの親戚のような病気です。リウマチは手指の関節が腫れ痛みますが、RS3PE症候群では手や足全体が腫れて浮腫んでいるのが特徴です。普通の浮腫みと違うのは、腱鞘炎も起こしてくるので手足が痛むこと、また血液検査で炎症の数値(CRP)が高くなることが異なります。
また関節エコー検査をすると、「関節の炎症や腱鞘炎」+「皮下脂肪に炎症や水が貯まっている浮腫み」の両方がみえるのが特徴です。プレドニンの治療がとっても良く効き、手足の浮腫み・痛みもスッキリよくなります。
関節リウマチ
多くは手指の関節が腫れ痛むことが多いですが、ご高齢の方のリウマチでは急に大きな関節が腫れることがあります。手首や足首に強いリウマチが起きると関節の腫れだけでなく、周りの皮下脂肪にも炎症が波及して手足がパンパンに腫れて浮腫んできます。
RS3PE症候群との区別が難しいですが、リウマチの場合には血液検査でCCP抗体やリウマチ因子が陽性となる可能性が高い事や、関節エコー検査で関節の中に炎症が起きていることが分かり、手足の浮腫みの原因が関節の中にあることが確認できます。
橋本病(はしもとびょう)
甲状腺機能低下症とも呼ばれます。甲状腺という元気を作るホルモンが減ってしまう病気になります。甲状腺ホルモンが減ると、体の元気や代謝が落ちてしまうので、手足が浮腫んできます。ただ関節が腫れているわけではないので痛みはありません、またよくある浮腫みと違って指で押してもへっこまないのが特徴です。手足の浮腫み以外に、寒がり、体重が増える、脱毛、だるさなどの症状が出てきます。治療は足りなくなった甲状腺ホルモンを補給する飲み薬になります。また、橋本病は膠原病の一つであるシェーグレン症候群を合併することが非常に多いので、目や口の渇きが無いかなどシェーグレン症候群も一緒にチェックすることが大切です。
心不全(しんふぜん)
心臓は体のあちこちに血液を送るポンプのような働きをして、血液が常に体中を流れるようにしています。その心臓が疲れてしまうとどうなるでしょうか?心臓のポンプが弱くなってしまうので、川のように全身を流れていた血液は流れが悪くなってしまいます。そうすると、手足に血液が貯まってしまい浮腫みが出てきます。特に足は重力の影響で血液が貯まりやすいので、浮腫みが起きやすい場所になります。
治療は心臓の疲れを取ってくれる、利尿剤や血圧を下げるお薬になります。
低栄養/尿たんぱく
血液の中にはアルブミンなどのたんぱく質が入っていて、これらが血液中の水分が血管の外に漏れないようにしています。しかし食事が少ない栄養不足や、食事が偏っていたりしてたんぱく質があまり摂取できないと、アルブミンなどのたんぱく質が減ってしまいます。
すると血液中の水分が血管の外に漏れてしまい、それが皮下脂肪などにたまり浮腫みになります。また、腎臓の病気があって尿からたんぱく質がもれてしまうと、血液中のたんぱく質が減ってしまうので浮腫みが出てきます。食事がとれない原因を治療したり、腎臓の治療をすることが大切です。